採用できない理由は、求人原稿の出来だけではない。
求職者が「この会社は信頼できるか」を確かめようとしたとき、確かめられる場所がない——それが応募前の離脱を生んでいることがある。
求職ドライバーの動き方
委託ドライバーの仕事を探す人の動きは、おおむね次の順番になる。
- 求人媒体や検索で案件を探す
- 気になる求人をいくつか残す
- 会社名で検索する
- 公式サイトで条件・体制・会社の姿勢を確かめる
- 問い合わせ、または応募する
3番の「会社名で検索」が、事実上のふるい分けになっている。業務委託の仕事は、報酬から何が引かれるか、事故のとき誰が動くかが会社によってまったく違う。だから求職者は応募前に調べる。そこで何も確認できなければ、候補から静かに外される。
HPがない会社に起きていること
- 会社名で検索すると、何も出てこないか、口コミサイトだけが出てくる
- 口コミの内容が悪ければ、反論する場所がない
- 求職者は「この会社、大丈夫か」と思った時点で離れる
応募数が少ないのではなく、応募する前に離れている人がいる可能性を疑ってほしい。
求人媒体の掲載費で「何を買っているか」
求人媒体そのものが悪いわけではない。即効性があり、求職者が集まる場所でもある。ただし、料金で買えるものの中身は知っておく必要がある。
媒体やプランによって仕組みは異なるが、基本の掲載料で得られるのは「求人ページを載せること」までで、検索結果の上位や「おすすめ」枠への表示は、追加の有料オプションや、閲覧数・応募数などをもとにした表示順の仕組みで決まることが多い。応募が集まらない求人は表示されにくく、表示されないから応募が来ない——という循環に入ることもある。
契約前・更新前に、媒体の担当者へ次の3点を確認しておくとよい。
- 基本料金で、どの一覧・検索結果に、どの順番で表示されるのか
- 上位表示やおすすめ枠は別料金か
- 過去の掲載で、閲覧数と応募数はどれだけあったか(数字で出してもらう)
そして、掲載をやめれば露出はゼロに戻る。払い続けた掲載費は、自社の資産としては何も残らない。
媒体の中でまずできること
媒体を使い続けるなら、無料でできる改善から手をつける。
- 原稿・会社情報の入力項目をすべて埋める
- 媒体のルールの範囲で、原稿を定期的に更新する
- 実際の車両や荷物の写真、代表者の言葉を加える
これは媒体のルールの中での対症療法だ。表示順を決める権利は媒体側にあり、自社では変えられない。
求職ドライバーが確かめたい5つのこと
自社サイトに載せるべき内容は、求職者が確かめたいことから逆算する。
1. 誰がやっている会社か
代表者の名前と、自分の言葉で書いたメッセージ。顔写真まで出すかは会社の判断でよいが、「誰が責任者か分からない会社」は相談しにくい。
2. 実際に何を運ぶか・どこを走るか
「アットホームな職場」より、荷物の種類、車両の状態、稼働エリアのほうが判断材料になる。実物の写真があればなおよい。
3. 報酬と、差し引かれる費用
「収入は応相談」は不安を生む。報酬の決まり方と、リース料・保険料・手数料など差し引かれるものを具体的に書く。収入の目安を出すなら、平均なのか最高値なのか、試算なのかを明記する。
4. 事故・トラブル時に会社が何をするか
「事故のとき一人で責任を負わされるのではないか」は、委託ドライバーの大きな不安だ。加入している保険の種類と、事故が起きたときの連絡・対応の流れを書く。
5. 問い合わせのしやすさ
電話だけでなく、フォームやLINEなど複数の窓口を用意する。応募前の質問に答えやすい会社は、入社後も相談しやすいと受け取られる。
求人媒体と自社HPの費用比較(試算)
| 比較軸 | 求人媒体 | 自社HP |
|---|---|---|
| 表示順を決めるのは | 媒体側 | 自社(検索対策次第) |
| 費用(試算) | 例:月¥80,000のプランなら年¥960,000 | 当サイトの制作料金で初年度¥66,000〜、2年目以降年¥11,000〜 |
| やめた後に残るもの | なし | サイトと記事が残る |
| 載せられる情報 | 媒体の書式の範囲 | 自由(代表メッセージ・写真・働き方など) |
| 荷主への営業 | 使えない | 同じサイトで兼ねられる |
| 即効性 | 高い | 検索に出るまで時間がかかる |
※媒体の料金は例示。実際の料金はプランによって大きく異なる。HPの費用は当サイトの法人向けHP制作の料金。
1採用あたりの費用は「その経路にかけた費用 ÷ その経路から採用できた人数」で出る。媒体とHPで、自社の実数を一度並べてほしい。媒体をやめる必要はない。媒体は入口、HPは確かめてもらう場所として役割を分けるのが現実的だ。
採用ページに載せるもの
HPの中に採用専用のページを1枚つくり、次の要素をまとめる。
- 代表メッセージ(採用向けの言葉で)
- 稼働エリアと案件の種類
- 報酬の決まり方と、差し引かれる費用
- 1日の流れ
- 事故・トラブル時の会社の対応
- 問い合わせ・応募フォーム
所属ドライバーの声を載せる場合は、本人に話を聞いて、掲載の了承を取ったものだけにする。会社側が書いた作文や、実在しない「声」を載せると、入社後に食い違いが出たとき信頼を一気に失う。集められないなら、無理に載せなくていい。
まとめ
「採用できない」と悩む会社の多くに、求職者が会社を確かめる場所がない。
求職者は、気になった会社を検索している。そこで何も出てこなければ、応募の前に離れていく。媒体に払う費用で何を買っているかを確かめ、自社サイトを「確かめてもらう場所」として整えることが、採用コストを構造的に下げる道だ。
採用ページを含むHP制作の詳細はサービスページから。
本記事の費用比較は筆者試算です。求人媒体の料金体系・表示の仕組みは媒体・プランによって異なります。